文字面にすると当たり前ですが、通常の白ダイヤが4Cの中でも「カット」を重視するのに対して、カラーダイヤはカラーグレードが価値の大部分となります。
大きさ(カラット)については、1カラット未満のものであっても、ファンシーカラーであれば大変価値の高いものとなります。流通する多くのカラーダイヤが1カラット未満の小さなものとなります。
因みに白ダイヤにおける選び方については、4C観点でカラットは価格帯で大体決まってくること
カットは肉眼で見る輝きに直結することから妥協できないこと、
カラー、クラリティはカットと比較して目視が難しい項目でもあり、比較的贅沢項目であると言えます。
カラーダイヤモンドの「クラリティ」
結論からいうとカラーグレードが高ければクラリティは低くても高い価値がつきます。通常のダイヤモンドとクラリティはあまり議論に上がりません。
カラーダイヤと相性の良い「カット」がある
ラディアントカットのようなファンシーシェイプが施されることが多いカラーダイヤモンド。
その理由はカラーカラーの鑑定への影響です。
正確には「大きさ」と「カット」の2つが光の反射に影響を与え、カラーダイヤの発色に寄与します。
・カラット(大きさ)が大きいほど
・パビリオンが深いほど
カラーダイヤモンドはより豊かで強い色をもたらします。
ダイヤモンドカッターは「ラディアントカット」と呼ばれるミックスカットがダイヤモンドのイエローを強めることが発見しました。ラディアントカットは「ケープ」と呼ばれる薄いイエローダイヤモンドが、ファンシーイエローとなるようなカットである、としました。
同じ原石であればこのラディアントカットが高い価値のカラーダイヤに仕上げることができるわけです。
ラデイアンとカットとは
ラディアントカットはブリリアントカットの一種で、多面のファセットでありながら形はラウンドではなく四角形、長方形または正方形どちらも存在します。
GIAの説明ではラウンドブリリアントカットのダイヤの持つファイヤーと、エメラルドカットの貴族的な優雅さを表現するダイヤとされています。
同時にラディアントカットはインクルージョンを隠すこともできるカットとなりますのでクラリティが多少低いダイヤも魅力的に仕上がります。
エメラルドカットのカラーダイヤはあるのか
エメラルドカットのカラーダイヤにはなかなか出会えません。
カラーダイヤはカラーグレードが命であること、ラディアントのように多面カットで乱反射の多いものが強いカラーを出せるため、カラーグレードが上がります。
カラーダイヤモンドでエメラルとカットを施すのは大変贅沢で難しいものとなります。
何カットのカラーダイヤが良い?
このことからラディアントカットが良いのかという話になりますが、それはカットする側の都合とも言えます。ラディアントカットはカラーダイヤの色の強度を最大化するためです。
逆に白ダイヤモ同様にエメラルドカットのような誤魔化しの効かないカットは、カラー、クラリティを補填するものではないので、カットカラーダイヤではほとんどお目にかかりません。もしあればそれは大変に貴重なものとなります。
▼たくさんのダイヤモンドたちを見ても、カラーダイヤの色の強度が最大化するラディアントカットが多くを占めます。エメラルドカットに近いカットはほとんど現れません。
カラーダイヤの選び方
これらを理解すると、カットもカラーもクラリティもと欲張って選ぶ機会はあまりありません。
基本的にはまず何色のカラーダイヤモンドが欲しいのか。
そしてカラーグレードを最重要視し、カットはその時の美しいものをという形になります。カットグレードで選ぶことはなく、ファンシーカットなど、好みのシェイプで選ぶケースが多いかと思います。
小さなカラーダイヤで一般的なのは、ペアシェイプ、マーキス、ラディアントで長方形や正方形、そしてラウンドブリリアント、たまにハートなどのモチーフカットに出会えます。
そして誤魔化しの効かない、エメラルドカットの系統のカラーダイヤモンドにもしであえればそれはとても価値が高いものとなります。
参考